9月21日、第4回目となる湖川友謙氏による東日本大震災チャリティイベントが開催されました。
「この日は公式ゲストの招待はありませんでしたが、湖川氏を応援する三名の方が登壇し、作画・イラスト・創作の魅力に迫る濃密な一日となりました。
第一部:トモちゃん氏が語る「湖川作画のすごさ」
第一部では、長年湖川氏の絵に魅了されてきたトモちゃん氏が登壇。
「皆さんは湖川さんといえばアオリを思い浮かべると思いますが、私はそんなベタな説明はしません。動きとかタイミングとかのお話をします」と宣言し、代表作の中から印象的なカットを紹介。
特に『聖戦士ダンバイン』での目力(めぢから)やコマ打ちの効果的な使われ方について熱く語る姿に、会場は深く頷いていました。
第二部:イラストレーター・金子大輝氏の仕事
続いて登場したのは、若手イラストレーターの金子大輝氏。
昭和の特撮やアニメから影響を受けたという金子氏は、自身の作品を通じて「当時の雰囲気を再現する楽しさ」と「独学でアニメーションを作る苦労」について解説。
湖川氏からは、「そろそろ自分の個性を出していかないと器用貧乏で終わってしまうよ」とアドバイスする場面もあり、世代を超えた創作のつながりが感じられました。
第三部:志条ユキマサ氏の登壇と湖川氏デビューの頃の話
最後に登場したのは、アニメーターで漫画家の志条ユキマサ氏。
現在は闘病生活でクリエイターとしての活動を休止中の志条氏ですが、漫画家時代の苦労話やアニメーターになってからのアナログとデジタルのはざまで苦労した話などを語られました。途中から湖川氏が自身のアニメーターデビュー当時の話で加わり、闘病後の交流エピソードへと続くなどのお二人の掛け合いに笑いが多いセッションとなりました。

9月23日 羽原信義氏来場
第5回目となる9月23日には、アニメ監督の羽原信義氏がシークレットゲストとして登場。
「湖川さんを最初に意識したのは『さらば宇宙戦艦ヤマト』でした」と語り、湖川氏のレイアウト技術に衝撃を受けたエピソードを披露。
「『さらば』でのスクリーンパネルのパース表現は、当時の『ガッチャマン』でも実現できていなかった」と語り、湖川氏の手描きによるセンスに改めて敬意を表しました。
『宇宙戦艦ヤマト2202』では3D技術を駆使して再現を試みたものの、「迫力が出なかった」と振り返り、手描きの力を再認識したと語ります。
さらに『グレートマジンガー』映画版での兜甲児の俯瞰構図や、作画本で感銘を受けた「手の描き方」など、湖川氏の技術に対する深い尊敬が随所に感じられました。
羽原氏が「現代のアニメ制作では“おにぎり”にまで設定が必要な時代になってしまった」と嘆くと、湖川氏は「世界観に合わせるという意味でなら”おにぎり”の設定があってもいい」と持論を展開。
一方で「写真を設定代わりにする安易なケースが増えている」と現代の制作事情を憂うなど、会場は興味深く耳を傾けていました。
声優・平松広和氏も再登場!
この日はさらに声優の平松広和氏も飛び入りで今年3回目となる登場。
2003年にTV放送された『D・N・ANGEL』で羽原氏が監督、平松氏が冴原警部役を務めていたエピソードが紹介され、会場は懐かしさに包まれました。
お二人によるサイン会も開催され、ファンとの交流が温かく行われました。
イベントの締めくくりには、前日に引き続いて再びトモちゃん氏による「湖川作画のすごさ」の解説が行われ、湖川氏の作画技術の奥深さを改めて感じる一日となりました。

トモちゃん様、金子大輝様、志条ユキマサ様、盛り上げていただきありがとうございました。
羽原様と平松様、トークとサイン会でのご協力ありがとうございました。
そして、募金にご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
📅 次回は、9月28日開催分のレポートを掲載予定です。どうぞお楽しみに!


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